『これだけは言いたい』  第10回
医療従事者は、本を読んでいますか?

 人間相手の仕事だからこそもっと読書をしてほしい


私のもの書き人生は、間もなく40年になろうとしている。新聞記者時代は別として、である。
さまざまな連載原稿を書いてきた。そのほとんどは、本としてまとまっている。この連載,も、いずれは本にしたいと思って書きはじめた。”はや”というか、”やっと”というか、1O回目になった。
ふと、気がついた。この連載には、どうして、何の反響もないのだろうか。いったい、この雑誌を読んでいるのは、どういう人たちなんだろうか。患者自身?、患者の家族?、医療従事者?(そのなかには医師、看護師、保健師、技師、医療事務、医療機関の経営者、いろいろいると思う)、さまざまな立;場の人がいらっしゃるに違いない。
 通常、1つの連戴記事を書き始めると、必ず、何らかの反応がある。賛成、反対、意見、共感、反論、感想、ときには生涯忘れられないアドパイスをいただくこともある。
私たち”もの書き”は、それが楽しみで、1つの連載を続けてゆく。
 ところが、この連載には、いままでのところ、何の反応もない。かれこれ1年になるのだが、私がいちばん期待している医師、看護師、医療機関経営者の方々からは、まったく”ナシのつぶて”である。
私は、暗闇に鉄砲を撃っている心境だ。
 そこで考えるのだが、医療機関に働く方々は、患者雑誌とか、患者の書いたものは、お読みにならないのであろうか。忙しくて読めないのか、心に余裕がないのか、興味がないのか、バカにしているのか、いったい何なんだろうと、いま私は考え込んでしまっている。

忙しくて、あるいは、心に余裕がなくて、読書ができないのなら、お気の毒だと思う。人間相手の大事なお仕事だから、いちぱん読書をしていただきたい方々だ。いまの医療の制度を改善すれば、読書の時間を持てるというのであれぱ、お手伝いすることにヤブサカではない。
「興味がない」とか「パカにしている」と言われるなら、これはもう返す言葉もない。そんな方は、医療に携わっていただきたくないと思うだけだ。
ところで、前回、私は”一世一代、自分の体の手術ビデオ”をぜひ販売してほしいと書いた。相変わらず、ダレからも、何の反応もなかったけれど、自分で1つの発見をした。
 私が愛読している読売新聞の「医療ルネソサンス」の1年前の記事(2003年1月31日付)が出てきた。
それには、神奈川県、大和成和病院心臓血管外科で、手術をビデオに撮り、術後、患者に、手術内容の説明報告書とともに、ダビングしたピデオを渡していると書いてあった。
(すぱらしい病院や医師がいるんだなあ・・・・)
  と私はうれしくなった。