| がんを治す完全ガイド 2005年月5号掲載 第15回 | |
| 韓国で味わった新鮮な体験 | |
| ふとしたご縁で、私が代表を務めている「1・2の3で温泉に入る会」のことが、つい最近.韓国ソウルの学会で発表された、ことの発端はこうだ。 2004年の3月ごろだったと思う。 岡山県にある川崎医療福祉大学の大学院に籍を置く大賀由花という女性から、電話がかかってきた。 「新聞で、1・2の3で温泉に入る会のことを読んで非常に興味を持った。お目にかかって、もう少し詳しく知りたい」 という主旨のお電話だった。 そのとき大賀さんは、すでに私たち会員のうち65人が書いた体験記「病気がくれた贈り物}を熟読しておられた。そして、学問的なテーマとして、私たち患者がこの会と出会い、会員とともに温泉に入ることで、どのような効果があるのか検証してみようというお気持のようであった。 若い学究の徒を支援したい気持もあり、私はさらに言ってみた。 「どうですか。間もなく、私たちは、恒例の春のイペントを開催します。私たちの活動は、温泉を軸にしていますけれど、それだけではありません。勉強会や激励会も、定期的にやっています。今年は、田原節子さん、絵門ゆう子さん、そして私の3人で、がんについてのトークショーをやります。いらっしゃいませんか?」 2004年6月27日のトークシーにお誘いしてみた。大賀さんは、もちろん、倉敷から東京へ駆けつけてくれた。 そして、さらに半年後、この熱心な学究の徒は、私たちの秋の行事、全国温泉大会(仙台、秋保温泉)にまで参加し、私たちと一緒にドホンをされたのたった。そのときは大賀さんの指導教官・菊井和子教授もご一緒だった。 ☆ これだけの背景を持って、菊井教授と大賀さんは、ソウルで開かれた「アジア太.平洋ホスピス学会」に臨まれ、研究の結果を発表されたのだった。 今回、私は、単なる研究対象であり、出席の義務はなかった。しかし、せっかく私たちの活動を、国際的な場で発表してくださるのである。ヤジウマ応援団として、一度国際学会を覗いでみるのも悪くない。それに、国際学会にはつきものの、研究ツアーにも興味があった。この学会では、韓国の代表的なホスピスを見学させていただける。私はキリスト教のセマルホスピスを希望することにした。 一連の手続ききをするなかで、私の立場は“ポランティア”として、一緒に参加した本部役員の浅見百合子、佐藤宮子のお2人は、私の"同伴者”として、正式に登録された。きわめて開放的で、気分のいい処遇だった。日本の学会でも、患者をこんなふうに開放的に迎え入れているのだろうか。 私が希望していたホスピスツアーにも、正式に参加させてもらえた。事前の予備知識はなかった。 が、パスの中(車でソウルから南へ約1時間半の距離)で、セマルホスピスの活動を紹介するピデオを見ることができた。それがずいぶん私の理解を助けた。 簡単にご説明すると、セマルホスピスは、韓国で最初にできた独立型のホスピスだ。 |
| 1993年6月にオープンしている。すでに12年の実績を持つ。日本も同じだが、韓国でもホスピスは病院に付設されているものが多い。今回、学会の見学先に選ぱれた6つのホスピスのうち、5つまでは病院付設のものだった。 私は唯一独立型のホスピスを見学したわけだが、ずいぷん辺鄙な場所にある、周りは谷地田(棚田に似ている)に囲まれていた。わずか29床のホスピスだから小ぢんまりしている。しかし、赤煉瓦の建物は、徹底的に明るく、開放的な設計だった。 | ![]() セマルホスピスの外観(著者撮影) |
| 韓国にはキリスト教の信者が多い。カトリックとプロテスタントを合わせて、人□の5割はいるようだ。セマルホスピスは、プロテスタントのほうだが、韓国ではプロテスタントとは言わない。キリスト教と言う。セマルは教会、病院、その他の法人や個人の寄付によって建てられ、運営されている無料のホスピスである。患者の大半はがん(特に肺がんが多い)だ。 正規の職員は牧師4人、看護師20人、薬剤師1人、医師2人。しかし、医師のボランティアをはじめ、ボランティアは、12年間に1万人登録されている。私でもポランティアを志願すれぱ、8週間の教育を受けたあと、ボランティアに採用さ.れるのだそうだ。 無料だから、希望者が多い、今も60〜70人のウエイティングがいる。したがって、入院できた人は、2ヵ月経つと、在宅訪問介護に切り替えられる。あとは医師、看護師、ヘルパー、ボランティアが自宅へ派遣される。 |
![]() ホスビス内では患者さんとの接触が許された |
このホスピスの最大の特徴は、私たちに対して、病院のすべての場所の見学、患者のほとんどとの接触が許されたことだろう。日本では空室の見学しか許されなかった私には、驚き以外の何物でもなかった。 ちなみに、点滴の管をつけている人は、一人しか見なかった。地球の上には、こんなに開放的なホスピスも存在するのである。 |
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