『これだけは言いたい』  第2回
大腸内視鏡検査について @

検査日のゆううつ


「ねえ。痛くなかった?」
「麻酔するんだもの、痛くも、痒くもない。気がついたら、内視鏡検査もポリープの切除も終わっていた」
「だって、あなたは1泊でしょ。 私は日帰りだもの……」
”痛くはないか”と聞いているのは私。”痛くはなかった”と言っているのは、私の友人。大腸内視鏡検査の先輩である。
心配しながら、私は生まれて初めての大腸内視鏡検査に赴いた。昨年秋のことである。
検査の内容は、ご存じのとおり。2リットルのペットボトルに入った下剤を飲み、トイレに走り、出きったら、内視鏡で見てもらう--- というもの。
私は、当然、男女別室で下剤を飲み、男女別々のトイレに走るものだと思って、病院へ行った。

トイレまで走る?  男女一緒 ?

最初に、男女、同室で説明があった。
(まア、説明くらい、男女一緒でも仕方ないか……)
しかし、目の前に男女8人分、8本のベットボトルが置いてあるのが妙に気にかかる。
(まさか、ここで、男女一緒に飲めと言うんではあるまいな)
だって、男の人の日の前でトイレに行くなんて、女の私には抵抗がある。まして、飛び出しそうな便を押さえ、身もだえしながら、便所に飛んで行くなんて、死んでも男には見られたくない。
なのに、病院の人は、この部屋で、男女一緒に下剤を飲め---と言うのだ。私は、手を挙げた。
「トイレは、どこにあるのですか?」
病院の人は澄まして答えた。
「あの廊下の突き当たりのちょっと手前の右側にあります」
「えっ?あんなところまで行くんですか?この部屋に隣接している便所はないのですか?」
「ありませんッ」
にべもない。で、今度は、質問を変えた。
「男女一緒ですか?」
「ハイ、一緒です」
かくて、私は、尻を押さえて廊下を走る。便所のドアをノックすると、"コンコン″という返事がかえり、私は身もだえて待つ。やがて、ステキな男が中から出てくる。
私はニコリともせず便所に人り、
15分くらい座り込む。途中で"コンコン″とノックの音が聞こえる。"コンコン″と返事をかえす。
その
うち"ピー、ポー″という変な音が、わが尻から出てくる。
(外の人、聞いているかしら?) そう思うと、出るのが恥ずかしい。とはいっても、長く居ると、外の男性が、激しく身もだえることだろう。

                               ◆

病院の方々に、お尋ねいたします。あなたがたは、私たちを"モノ"だと思っていらっしゃるのですか?
私は、女という人間なのですが。人間には、感情というものがあるのですが……。