がんを治す完全ガイド  最終回
これからです     
――がん対策基本法ができて
 読者の皆さんも心配してくださっていたと思います。
 《がん対策基本法》
  のことです。
 先月号で、「どうなるかしら、…」「でも、私の力ではどうにもできないし……」と気を揉んでいた法律のこどです。
 あの法律が国会を通りました。
 6月15日に、全会一致で可決されました。

                         ☆☆☆☆☆☆
 この法律(2007年4月1日施行)の目玉は、
 @ がんの研究をもっと進め、その成果を誰もが、どこにいても、受けられるようにする。(俵のコメント……現在は、貧富格差、地域格差がありますものねえ)
 A 「がん対策推進基本計.画」をつくる。そのために「がん対策推進基本計画をつくって意見を聞く。(俵のコメント・:…協議会のなかに、がん患者等を代表する人を入れるという部分が画期的。今までは “がん患者抜き”でした)
 B 基本的な政策は「がん予防、検診の推進」「がん専門医の育成」「がん医療の拠点病院をつくり、病院間の協力体制をつくる」「患者のためにがん医療情報提供をする」「がんの新薬や医療機器を、きるだけ早く使えるようにする」の5つ。(俵のコメント……大学病院と地域病院の協力だって文部科学省と厚生労働省のカキネがあって難しいのデス。頑張ってほしい)
 C 厚労省に、Aで書いた協議会をつくるため、「がん患者等を代表する者」「がん医療に従事する者」「学識経験者」で構成する会をつくる。(俵のコメント……日本の行政史上はじめて、政策立案過程に私たち患者の代表を出せることを、私はスナオに喜びたいと思います)

                         ☆☆☆☆☆☆

 いや、しかし、このほかにも、この法律には19個もの付帯事項がついている。たとえぱどんなことかというと、
 《付帯の五……がんの治療法に関する情報については、手術療法.放射線療法、化学療法その他のがんの治療法についての最新の情報を、できる限り平易な言葉で国民に提供する体制を整えること、》
 ――とあります。
 実は、私は、この法律のご紹介(前記)に当たって、すっかり翻訳し、私たちの日常語で書いてみた。そうでないと読者の皆さんの頭にスイスイ入っていかないと思ったからだ。「がん情報センター」が “できる限り平易な言葉を使う” というのは当たり前だ。わざわざ「付帯決議」に入れるところが、私たち国民にとってはむしろ不思議である。ついでに言えぱ、パソコンの使えない高齢者のことも忘れないでもらいたい。
 付帯の六は、嬉しい内容だ。
 《病状、治療方法等について、患者が医師等の説明を理解し、納得した上で治療法の撰択ができるよう、正確かつ適切な情報提供の推進、セカンドオピニオン外来、医療相談室の拡充に努めること。あわせて、セカンドオピニオンを受けるために必要な診療状況を示す文書やデータ等の提供について、患者の求めに応じて迅速かつ適切に対応するよう、医療機関に周知徹底を図ること、》

                         ☆☆☆☆☆☆

 読者の皆さん。
 嬉しい法律だと思いませんか?
 今まで、かかりつけの医師に、「ほかでも診てもらいたいのですが、カルテや検査結果の資料を貸していただけませんか?」
 おそるおそる言う時、私たち患者がどんなにビクビクしていたことか。どんなに言い出しにくかったことか。私は、そのたぴに思った。出した血は、私のものなのに、写した肺は、私の肺なのに・…・・。
 そのためのお金は私自身が払ったというのに……。自分で金を払ったのに、自分の物にならないというヘンな物がこの世の中にあるということが、私にはどうしても理解できなかった。
 今、それがすっきりした。
 この法律をつくってくれて、ありがとう。
 この法律をつくってくれた人、ありがとう。
 私たちの仕事は、これから時間をかけても、この法律に肉をつけ、魂を入れていくことだろう。でも、ホンネを言えぱ、あまり時間をかけて欲しくはない。今すでに、がんの痛みに苦しんでいる人にとって、5年後に緩和医療がよくなっても役に立たないからだ。がん患者にとって、今すぐ欲しいのは、今この痛みや息苦しさから解放されることであり、今日のQOL(生活の質)が穏やかになることなのが。再発しても、転移して」も、希望が持てる日本になってゆきたいと願う。