1月と2月の「冬期休館」が終わった。
その間、美術館は、冬眠していたわけではない。休館中、スタッフはけっこう忙しい。最初に、1年の計を立てる。全館の展示替えをする。「来年、どういうテーマで展示するか」は私が1年中考えている。それを、実行に移すわけだ。
展示を替えれば、当然ほこりが出る。ついでに大掃除もする。
その間、スタッフ全員でディスプレーの研修旅行にも行く。
一番悩んだのは、今年の目玉イベントを何にするか、だった。
「やっぱり、中高年への励ましでしょう」。50の声を聞いたばかりのN君が、企画会議で言った。
「うちほ、元祖 “セカンドライフ美術館” ですからね」と私。
「館長の本に “人生に定年はない”というのがありましたね。あれ、いいタイトルです。ぜひ、あのタイトルでイペントをやりましょう」
賛意を表したのは、65歳の当館のホームページ担当氏だ。
結局、今年は「わたしの生きがい」というテーマで、写真と100字エッセーを募集することになった。応募資格は「60歳以上の人」。締め切りは3月末日。出来るだけたくさん賞を出す。入賞しても、しなくても、応募者全員の作品を美術館に展示する。今後もこの催しは続けるので、通しのタイトルは「人生に定年はない」とする。
そういう企画書を作り、あちこちに後援依頼をしてみた。するとうれしかったですネ。読売新聞はもちろんのこと、朝日、毎日、NHK、上毛新聞をはじめ、地元マスコミの多く。県、前橘市、富士見村……。いや、とても、とても書ききれない。
後援だけではない。お願いした審査員も全員OK。
東京からは、友人の樋口恵子まで来てくれるという。
やっぱり、みなさんの胸の中に「人生に定年はありません。あなたの人生は、丸ごとあなたのものです」(当館が作ったチラシ文から)
同じ思いがあるのだろう。
先日、ある人物から質問を受けた。
. 「ぼくは、いま59歳です。応募しては、いけませんか?」
私は、胸を張って、次のように答えた。
「お気の毒ですが、年齢制限があります。来年になったらぜひどうぞ」
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